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著作 (金融政策と為替)

ERC著作。

先進国における中央銀行の金融政策と外為市場の相関性を解説した基本書。

ERCブログ

2016年

4月

11日

日本の政府高官が為替相場に口先介入するのは、先進国では異例

ホワイトハウスが米東部10日夜に、オバマとイエレンが急きょ非公開会談(11日)を行う事を発表した。これは、イエレンが議長に就任して2度目の出来事になる。

 

日本では安倍首相と日銀の黒田総裁が会談を行う事は珍しい事ではないが、内容は相場の事であると容易に推測がつく。

 

米国の場合は中銀の独立性が、欧州などの他先進国と同様、依然として保たれているために、目立った会談が頻繁に行われる事はない。

 

つい先日もドル安円高基調が進行し、日本では首相のみならず官房長官に財務相高官と、相次いで為替介入の言葉が発信された。為替介入は財務省と日銀が協力しながら実施するので、こういう事からも、明らかに中銀の独立性が侵害されている事が分かる。

 

ただ、1月下旬がそうであったように、現在の状況で通貨安政策を実施したとしても全く効き目がない事は明白となっている。口先介入でけん制するのが精一杯といったところになるだろう。日本の政府要人は、せめて口先介入をしておかなければ釘をさす事すらできない、と考えているようだが、米国の金利情勢が下落しているような状況ではその効き目すらない。釘をさす事に成功したように見えるのは錯覚である。

 

なぜこのような事を云うのかといえば、どんな政策をするにせよ、現状況や相場の事をよく理解しておく事が重要だと考えているからである。日銀は1月のマイナス金利政策導入で大きく失敗した。これは相場理解の欠如がもたらした弊害であった。

2016年

4月

06日

ドル円レートは110円を割り込む場面

節目とされているドル円レート110円を割り込んだことで、ドルの下振れが鮮明になった印象が与えられている。

 

日米2年債の実質金利差が、外国為替市場の主要テーマとしてスポットを浴びており、周知のとおり、米国の名目金利は今年に入って低下傾向にある。最悪期だった2月11日前後より改善しているが、その不安定な兆候には米系ヘッジファンドの介入も挙げられる。

 

米追加利上げ後ずれ観測で、名目金利は低下傾向、しかし実質金利を図る上での米インフレ指標は上昇傾向にあり、実質金利はマイナス幅が拡大傾向となっている。ドル円基準でいえば、一方の日本国内における名目金利は日銀のマイナス金利政策でストンと落ちたものの、期待インフレ率が低下した事でマイナス幅は拡大していない。

 

結果として名目金利差以上に実質金利差が縮小し(端的に云えば日米の期待インフレ率の違いがもたらした)、これが市場の関心を集めているが、これはただ単に、米利上げ後ずれ、といった展望からくる材料の1側面に過ぎないと考える事もできる。

 

4月1日に発表された日銀の短観では3月企業調査での、新年度予想為替レートは117円台半ば、そして現スポットレートはそれよりも5円高という「ギャップ」が目に付いた。この事も手伝い日経平均は「消沈下落」となったが、これらの要素、そして4月8日(金)に公表される日本の国際収支統計も、貿易収支・経常収支ともに黒字計上が厚みを増す事が予想されており、円高要因という事もできる。

 

さらには、市場に影響を及ぼす今月の重要な米統計は、4月半ば・そして下旬に数点集中しており、手枷・足枷状態となっている政府日銀の様相(G20による通貨安競争回避声明)を尻目に、注目されているものがあるが、それらに期待はされていない。利上げを後押しするようなものは出てこない。すべてが円高を後押ししている状況だが、これらの起発点は米商務省が先月28日に発表した個人消費支出1月改定分、一発であると考えている。今、こういう状況に陥ったので言及しているわけではなく、リンクにあるように既にこの状況を予測していた。顧客の方であれば周知の通り。すべてはここから始まった。

 

米1月個人消費下方修正と、前述の「米国のインフレ指標が上昇している」という記載が矛盾する、と感じる(顧客以外の)方がいるかも知れないが、米国の実質金利を図るインフレ指標が米国の消費動向を実直に表していない、と考えており、商務省の発表する個人消費・物価関連指標は実直に表している。

2016年

3月

15日

日米2年物から見るドル円レート ‐3月FOMC前夜‐

FOMC前、米国の2年債利回り は上昇しているが、やはりというべきか節目(1.00%)の手前で推移している事が分かる。(右図)

 

日本の2年債利回りは-0.2%水準で推移しており、(多くは語らないが)この軌道が変わらない見通しである現在、結局のところドル円レートは米国次第、という事が浮き彫りになっている。

 

利上げがなかったとしても、最近のマクロ統計(厳密には雇用と物価上昇率)から、6月利上げを強くアピールするかも知れない。しかし昨年、イエレン議長は5月にも関わらず「今年中(2015年中)に利上げ」と発言した事で、市場に様々な混乱をもたらした。「整合性を合わせるための12月利上げ」は失敗だった、とみている。

 

よって、そのような教訓から(利上げを見送った場合)、6月利上げを強調する事がない可能性すら残される。しかしその場合においても、経済データの強さ(雇用と物価)だけは強調する事になるだろう。

 

どちらにしても、ここ最近のボックス圏の上限であった115円を限りなくプッシュしたのち、ドライブとばかりにUターン、現レンジ(113‐115)に収まるのではないか。

 

GDP成長率・企業収益ともにパッとせず、賃金とて低迷が続いている。米国経済に対する冷ややかな視線は、そのままマーケットに表れそうだ。どのようなアナウンスをしたとしても結果は同じなのではないか。